
サブドメインを別サーバーで運用したいけど、DNS設定やAレコード・CNAMEのどこをどう直せばいいのか分からない。しかも設定が反映されない理由やSSLのことまで考えると不安です。



こうした疑問に答えます。
- サブドメイン別サーバー設定の目的と手順
- DNS設定時のAレコード・CNAMEの役割
- サブドメインSSLやプロパゲーションなど注意点
サブドメイン別サーバーでの運用は、お名前ドットコムやXserver、さくらインターネット、ムームードメインなど各種サービスでDNSレコードを正しく設定することで簡単に実現可能です。
AWS環境でのサブドメイン別サーバー構築も同様の手順。ネームサーバー設定を分けることで、メインドメインとサブドメインを異なるIPアドレスやDNSサーバーで管理できます。
SSL証明書やDNS反映遅延など潜在的な悩みも解消できるので、安心して続きをご覧ください。
サブドメインを別サーバーで運用する前に知っておきたい基礎知識


サブドメインを別サーバーで運用する際は、DNSの設定やサーバーごとの仕組みを正しく理解しておくことが重要です。下記では、その目的・具体例やSEO・DNSの観点から、押さえておきたいポイントを解説します。
サブドメインを別サーバーに設定する目的と具体例
サブドメインを別サーバーに割り当てる主な目的は、用途の違うWebサービスの分離やサーバー負荷の分散、安全性や運用効率の向上です。
具体的なケースは以下の通りです。
- ECサイト(shop.example.com)や会員制サイト(member.example.com)など、メインサイト(www.example.com)とシステム要件が異なる場合、最適なサーバー環境を選別できる
- WordPressブログ、ストレージ機能、APIサーバーなど用途ごとに別サービスへ委任しやすい
- 企業内のイントラ専用サイト、外部公開用サイトでセキュリティポリシーや権限を分離可能
実際の設定では、サブドメイン用サーバーのIPアドレスをDNSのAレコードに登録する方法があります。外部サービス利用時はCNAMEを利用する方法も一般的です。
サブディレクトリとの違いとSEOの観点からの使い分け
サブドメイン(sub.example.com)とサブディレクトリ(example.com/sub/)は運用面・SEO面で違いがあります。適切に使い分けることが求められます。
比較項目 | サブドメイン | サブディレクトリ |
---|---|---|
サーバー分離 | 可能(別サーバー割当て可) | 不可(同一サーバー内に設置) |
ドメインパワー | 一部引き継ぎだが独立性が強い | 本体と一体で評価されやすい |
SEO上の影響 | 新規Webサイト扱い(認知に時間が必要) | 本体のSEO評価を活用しやすい |
SSL設定 | ドメイン単位で個別対応が必要な場合有 | メインの証明書共有が多い |
運用・管理難易度 | サーバー・DNS管理の知識が必要 | 比較的簡単 |
企業のコーポレートサイトとECサイトは分野や運用体制が異なるため、サブドメインで分離するケースが一般的です。ブログやお知らせページのように本体コンテンツと密接な情報は、サブディレクトリ型が推奨されることが多くなります。
目的や運用体制、SEO戦略に合わせて使い分けましょう。
DNS設定で使うAレコードとCNAMEの役割
サブドメインを別サーバーで運用するには、DNSサーバー上で「Aレコード」または「CNAMEレコード」を正しく設定することが不可欠です。
- Aレコード:指定したサブドメインがアクセスされた際、直接サーバーのIPアドレスに紐づけます。自分でサーバーを運用する場合や、固定IPアドレスが分かっているときに利用されます。
- CNAMEレコード:サブドメインを、他のドメイン名へ転送(エイリアス)する設定です。特に、外部サービス(例:SaaSやクラウドCMSなど)のドメインに紐付ける場合に多用されます。
近年の主なレンタルサーバーやクラウドサービスでは、このDNS設定がGUI上で簡単に行えます。お名前ドットコム、Xserver、さくらインターネット、ムームードメイン、AWS Route53など多くのサービスが対応しています。
設定反映にはプロパゲーション(浸透)と呼ばれるタイムラグが発生する場合があり、最大72時間ほどかかることもあります。SSL証明書もサブドメインごとにきちんと設定する必要があり、Let’s Encryptやワイルドカード証明書の活用が一般的です。
サブドメインを別サーバーで運用するには目的や仕組みとともに、DNSの正確な設定が必要不可欠です。プロパゲーションの遅延やSSLの設定にも十分注意して対応しましょう。
【図解】サブドメインを別サーバーに設定する具体的な手順
サブドメインを別サーバーに設定するには、DNSやサーバー側の設定を正しく行う必要があります。設定手順を理解すれば、メインサイトとは異なる目的のシステム導入やサーバー負荷の分散に役立ちます。
①:新しいサーバー側でサブドメインの受け入れ設定をする
まず、新たに用意したサーバーで該当サブドメインを受け入れる準備をします。
この手順では、サーバーに該当サブドメインの設定を追加します。レンタルサーバーの場合は「サブドメイン追加」や「ドメイン管理」画面から新たなサブドメインを設定。VPSや専用サーバーの場合は、バーチャルホスト設定などを行いサブドメイン宛のリクエストが処理できるようにします。
この設定を行わないと、後述するDNS設定を行ってもサーバー側で正しく応答できません。
②:DNSサーバーでAレコードまたはCNAMEを追記する
続いて、サブドメインを新サーバーへ振り分けるためDNSのレコード設定を行います。
Aレコードはサブドメインを指定IPアドレスに直接紐付ける設定。CNAMEは別名やホスト名へ転送する設定です。基本的には以下の手順で行います。
- ドメイン管理画面を開き、該当ドメインのDNS設定メニューへアクセス
- サブドメイン名を指定して、Aレコードなら新サーバーのIPv4アドレス、CNAMEなら接続先ホスト名を入力
- 保存し、設定が適用されるのを待つ(プロパゲーションには数分~最大72時間かかる場合があります)
AWS(Route53)の場合や、サブドメイン単位でネームサーバー移譲が必要な場合は、「NSレコード」でサブドメイン専用ゾーンを作成してから、特定のNSに向けることで分離運用も可能です。
サービス | 設定画面名 | 備考 |
---|---|---|
お名前ドットコム | DNSレコード設定 | 種別:A/CNAME/NS |
Xserver | DNSレコード追加 | サーバーパネル→DNS設定 |
さくらインターネット | ドメイン/DNS設定 | ゾーン編集の場合もあり |
ムームードメイン | ムームーDNS | 詳細設定から編集 |
AWS Route53 | ホストゾーン | ゾーン分割・移譲も可能 |
DNS設定作業は正確性が求められるため、IPアドレスやホスト名入力時に誤りがないかを再三確認しましょう。
③:設定が正しく反映されたか確認する方法
設定が反映されたかどうかは必ず確認しましょう。正しく設定できていないとサブドメインがアクセス不能になる恐れがあります。
- コマンドプロンプトやターミナルで下記コマンドを実行し、設定内容が想定通りであるか確認
- Windows:「nslookup サブドメイン.ドメイン名」
- macOS/Linux:「dig サブドメイン.ドメイン名」
- Webブラウザでサブドメインを直接開き、期待するページが表示されるかを確認
- 各種オンラインのDNSチェックツールでレコード内容を確認
特にDNSプロパゲーションが完了するまでにタイムラグあり。すぐに結果が反映されないこともよくあります。焦らず数時間~最大72時間ほど待つのがポイントです。
SSL証明書の導入やGoogle Search Console上でのサブドメイン追加も併せて実施しておくことで、SEOおよびセキュリティ面でも万全な運用が実現できます。
サブドメインを別サーバーへ移管する際の注意点
サブドメインを別サーバーで運用する際には、DNS設定やSSL証明書などの重要なポイントがあります。
主な目的は以下の通りです。
- サイトの目的ごとのシステム独立
- サーバー負荷の分散
- 特定機能向けの外部サービス連携
適切な設定が行われていないと、サブドメインが正しく表示されません。セキュリティリスクにもつながります。
DNS設定が反映されない原因はプロパゲーション
サブドメイン別サーバーで運用する場合、DNSのAレコードもしくはCNAMEレコードで新しいサーバー情報を指定します。
以下の手順で設定できます。
- 管理画面でサブドメインのDNSレコードを開く
- 新サーバーのIPアドレスやCNAMEを追加
- 設定を保存し反映を待つ
Xserverやさくらインターネットなどのサービスでも基本手順は同じです。お名前ドットコムではネームサーバー設定画面から、ムームードメインサブドメインではコントロールパネルから設定可能。
設定後すぐに切り替わらない場合があります。この遅延は「プロパゲーション」と呼ばれる現象です。
DNS情報が世界中のサーバーに伝播するまで、通常数時間から最大72時間程度かかります。これは仕組み上の現象であり、設定ミスではありません。
対処方法は以下の通りです。
- キャッシュクリアを実行
- 数時間から1日程度待機
- 複数の端末やネットワークで動作確認
サブドメイン用のSSL証明書を忘れずに設定する
サブドメインを別サーバーで運用する場合、本体ドメインのSSL証明書がそのまま利用できません。サブドメイン側のサーバーで個別にSSL証明書を導入する必要があります。
設定を怠ると「保護されていない通信」と表示されます。SEO評価の低下やユーザーの離脱にもつながります。
設定手順は以下の通りです。
- サブドメインをサーバーに設定
- Let’s Encrypt等の無料SSLや各種証明書を新規取得
- サーバー管理画面でサブドメイン用SSL証明書を適用
- ブラウザでhttps接続が「安全」か確認
ECサイトや会員制サービスなど個人情報を扱う場合は必須です。サーバーごとに独立したSSL証明書を正しく導入しましょう。
ワイルドカード証明書でSSLを効率的に管理する方法
サブドメインを多数運用する場合は「ワイルドカード証明書」が効率的です。運用中に増減が頻繁に発生する場合にも適しています。
ワイルドカード証明書は「*.example.com」のように、任意のサブドメインのSSL通信を一括でカバーします。
設定手順は以下の通りです。
- ワイルドカード証明書を発行
- 必要な全サーバーに同証明書ファイルを設置
- サーバーごとの設定(CSR発行や秘密鍵管理など)を実施
- 運用中のサブドメインに証明書が正しく反映されているか確認
Let’s Encryptでもワイルドカード証明書の発行が可能。発行や更新時にDNS認証が必要になる点に注意してください。
サブドメイン別サーバー分離運用には、正しい知識と手順が不可欠です。不明点がある場合は利用中のサーバーやドメインサービスのサポートを活用しましょう。
サブドメインのサーバーを分けるとSEOに影響はあるのか


サブドメインを別サーバーで運用する場合、SEOへの影響が気になる方も多いでしょう。サブドメイン別サーバー運用のSEO面への影響や、適切な設定ポイントについて詳しく解説します。
サブドメインは元のドメインパワーを引き継ぐのか
サブドメインは、元ドメインのSEO評価をそのまま引き継ぐわけではありません。Googleはサブドメインとルートドメインを「独立したサイト」として扱うケースが多いです。
一部の評価が間接的に分散される場合もあります。例えば「main.com」と「blog.main.com」でサブドメイン別サーバーを利用していても、SEOへの影響は「全く別サイト」として運用された場合に近いです。
サイト間で内部リンクを適切に張ることで一定の相乗効果を期待できます。統一したブランドを保つことも重要です。
メインサイトへの悪影響を避けるためのポイント
メインサイトのSEOに悪影響を与えずサブドメインを別サーバーで運用するには、以下のポイントに注意してください。
- サブドメインのサーバーが低品質な場合、Googleの評価が下がるリスクがあります
- サブドメインでのコンテンツがメインサイトと重複していると、重複コンテンツとみなされ評価が下がる場合があります
- SSL証明書の適用漏れにより、「保護されていない通信」と表示されてしまい、検索順位やユーザー信頼性の悪化を招く可能性があります
- サブドメインのDNS設定が誤っていると、アクセス不能やインデックス漏れといった問題が発生します
安定したサーバー選定が重要です。明確に異なるテーマや内容を作成しましょう。
ワイルドカード証明書や各種無料SSLを活用し、サブドメインごとにSSLを適用してください。Aレコード、CNAME、NSレコードの意味と使い方を理解し、正確に設定しましょう。
Google Search Consoleでの適切な設定方法
サブドメインを別サーバーで運用した場合でも、Google Search Consoleには必ず「サブドメイン単位」でサイトを登録しましょう。Googleはサブドメインを独立サイトとして管理するためです。
たとえば「main.com」と「blog.main.com」の両方を個別にSearch Consoleへ追加し、所有権を確認する必要があります。
登録手順の概要は以下の通りです。
- Google Search Consoleにアクセス
- プロパティを追加で「URLプレフィックス」としてサブドメインを入力
- 所有権確認(HTMLファイルアップロードまたはTXTレコード登録等)
- 正常なクロールを確認し、サーチアナリティクスやインデックス状況を定期的にチェック
この設定により、サブドメインごとのパフォーマンス分析やインデックス状況が把握しやすくなります。早期のSEO対策につながります。
サイト構造に大きな変更がある際や、複数のサーバー・ホスティングを併用する場合には必須の作業となります。
サブドメインの別サーバー運用はDNS設定で実現可能
サブドメインを別サーバーで運用したい場合、DNS設定を正しく行うことが最も重要です。これにより、メインドメインとは異なる用途やシステムを安全かつ柔軟に管理できます。
多くのレンタルサーバーやドメイン管理サービス(お名前ドットコム、Xserver、さくらインターネット、ムームードメイン、AWSなど)では、共通した基本ステップでサブドメインを任意のサーバーに割り当てることが可能です。
サブドメインを別サーバーで運用する基本手順
サブドメインを他のサーバーで運用する際の基本的な流れは以下の通りです。
- サブドメインの作成
管理画面で目的のサブドメイン(例:blog.example.com、shop.example.com)を作成します。 - DNSレコードの追加
サブドメインに割り当てたいサーバーのIPアドレスが分かったら、DNS設定にてAレコードまたはCNAMEレコードを追加します。 - 反映確認
DNS反映チェックツールや「nslookup」などのコマンドを使い、新しいIPアドレスやサービスに向いているかを確認します。
Aレコードを用いると特定のIPアドレスへ、CNAMEを用いると別名へサブドメインの通信を転送できます。サブドメイン単位でNS(ネームサーバー)レコードを設定することで、AWSやCloudflareなど外部DNSサーバーで管理することも可能です。
サブドメイン別サーバー運用のメリット
サブドメインを別サーバーに分けることで得られるメリットは以下の通りです。
- 異なるシステムや外部サービスへの導入が容易
- サーバー負荷の分散
- 大規模なWebサービスの柔軟な構成
- 専門性の切り分けによる管理の効率化
メインドメインとサブドメインでサーバーを分けることで、それぞれのサービスに最適化された環境を構築できます。
DNS設定時の注意点とポイント
サブドメインのDNS設定には専門用語も多く、Aレコード、CNAME、ネームサーバーなどの理解が不可欠です。設定時には以下の点に注意してください。
項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
プロパゲーション | DNS設定の浸透期間 | 数時間から最大72時間ほど反映に時間がかかる |
SSL証明書 | HTTPS対応のための証明書 | サブドメインごとに用意するかワイルドカード証明書を利用 |
DNS管理 | レコードの管理方法 | ネームサーバーを分けることで別のDNSサーバで管理可能 |
DNS設定後は反映の遅さに焦らず、設定ミスがないか冷静に確認することが重要です。
SEO面での考慮事項
SEO面では、サブディレクトリとサブドメインの使い分けがしばしば議論されます。専門性の切り分けや外部サービスの統合など、明確な目的がある場合はサブドメイン分割が理にかなっています。
Google Search Consoleではサブドメインごとの登録・管理が推奨されており、検索エンジンにも適切に認識されやすくなっています。ドメインパワーの分散を懸念する場合は、内部リンクの設計や統合的なSEO戦略を検討することが大切です。
サブドメインを別サーバーで運用することは、DNS設定により十分実現可能です。反映時間やSSL、SEOといった周辺知識もおさえて運用することで、安定的で安全なWebサイト管理が可能となります。専門用語に不安がある場合は、公式マニュアルやプロのサポートを活用するとよいでしょう。
まとめ:サブドメインの別サーバー運用は少し複雑
サブドメインを別サーバーで運用する方法について、本記事ではサブドメイン別サーバーに関する設定例やDNSレコードの具体的な手順、エックスサーバーやお名前.com利用時のポイントまで詳しく解説しました。サブドメインを別サーバーで運用時のプロパゲーションやSSL証明書の設定についても注意点をまとめています。
主なトラブルやよくある質問への対処法も網羅しているため、初めての方でも安心して取り組める内容です。
- サブドメインを別サーバーで運用する際は、DNS設定でAレコードやCNAMEレコードを追記することで簡単に実現できます。
- プロパゲーションによる設定反映の遅延や、サブドメイン用SSL証明書の設定忘れに注意し、確実な動作確認を行うことが重要。
- サブドメインとメインサイトでサーバーを分けても、SEOへの影響は最小限に抑えられます。Google Search Consoleで適切に管理すれば安心して運用可能。
この記事を読むことで、サブドメインを別サーバーで運用する具体的な手順やDNSサーバー設定方法がわかります。自分で安全かつ効率的にウェブサイトを管理できるようになったはずです。
これからサブドメインを別サーバーに分けて運用したい方は、ぜひ本記事の内容を参考に、実際の設定にチャレンジしてみてください。