
サブドメインにワードプレスをインストールしたいけど、SSL設定やGoogleアナリティクスの連携など、公開後に必要な設定や運用まできちんとできるか不安です。



こうした疑問にお答えします。
- サブドメインとサブディレクトリの違い・SEO観点での特徴
- サブドメインへのワードプレスインストール手順
- サイト公開後に必要なSSLやアクセス解析など必須設定
サブドメインでワードプレスサイトを構築する方法と、SEOや運用に関する疑問を明確に解説します。
エックスサーバーやさくらインターネット、ロリポップなど主要レンタルサーバーでのインストール方法も紹介。公開後の管理や技術的な課題もクリアできる内容なので、ぜひ最後までご覧ください。


サブドメインとは?WordPressで使うサブディレクトリとの違い


サブドメインとサブディレクトリは、同じドメイン内で複数のWordPressサイトを運営する際の代表的な方法です。それぞれの仕組みと役割、使い分けの判断基準、そしてSEO評価への影響について解説します。
サブドメインの基本的な仕組みと役割
サブドメインとは、親ドメインの前に任意の文字列を付けて新たな領域を作成する方法です。たとえば「example.com」というドメインがある場合、「blog.example.com」や「shop.example.com」のように設定できます。
サブドメインは独立したサイトとして扱われるため、下記のような用途で活用されます。
- 本体サイトとテーマを分けたメディア運営(例:コーポレートサイトとブログ、会員サイトなど)
- テスト環境や開発環境の設置
- 複数のサービス・用途別のコンテンツ管理
多くのレンタルサーバーでは管理画面(コントロールパネル)上からサブドメインの追加ができ、WordPressも個別にインストールできます。
サブディレクトリの基本的な仕組みと役割
サブディレクトリは、既存ドメイン配下にディレクトリ(フォルダ)を作成してサイトやページを追加する方法です。例えば「example.com/blog」や「example.com/shop」のような形です。
親ドメイン内の一部として追加されるため、次のようなケースに適しています。
- 既存サイトの下層として専門コーナーやカテゴリーページを設置
- ブランドやサービスの一貫性を重視したい場合
- サイト全体の統一的な運用・管理
サブディレクトリはディレクトリ構造で管理されるため、1つのWordPressやCMS内で複数のページやコーナーを追加する形になります。
利用目的で考える使い分けの判断基準
どちらを選ぶべきかは目的と運用形態で判断します。以下の表で特徴を比較します。
項目 | サブドメイン | サブディレクトリ |
---|---|---|
サイトの独立性 | 独立したサイトとして運用できる | 本体サイトの一部として扱われる |
WordPress導入 | それぞれ個別インストール・管理が必要 | 1つのWordPressで複数ページ管理可能 |
管理工数 | 複数サイト分だけ手間がかかる | 一括管理しやすい |
ドメインの用途 | 異なるテーマ・用途での運用に向いている | 同一ブランド下のコーナー増設に向いている |
SEO評価 | メインドメインとは別評価(独立サイト)になりやすい | 親ドメインの評価を引き継ぎやすい |
このように、まったく独立したメディアやサービスを運用したい場合はサブドメイン、ひとつのブランドサイト内でコンテンツを増やしたい場合はサブディレクトリが推奨されます。
SEO評価における両者の関係性
SEOの観点では、サブドメインとサブディレクトリで評価の伝わり方が異なります。Googleは「サブドメインもサブディレクトリも、どちらを使っても大きな違いはない」と公式にアナウンスしていますが、実際は運用やコンテンツの質、被リンク状況なども影響します。
サブディレクトリはメインドメインの評価を受けやすいため、新規サイトの立ち上げ時や既存サイトの拡張に有利なケースがあります。サブドメインは本体サイトとは別ドメインのように扱われやすく、それぞれが独立してSEO評価を積む必要がありますが、異なるテーマや言語など明確に切り分けたい場合に効果的です。
直近では、ブランド全体の一貫性を重視したいならサブディレクトリ、異なる事業や大規模サイト展開ではサブドメインを検討する流れが強まっています。
また、サブドメインを使う場合は、Google Search Consoleへの個別登録や、アナリティクス連携、SSL設定なども別途必要になることが多いため、作業工数と目的に合わせてしっかり検討しましょう。


サブドメインでWordPressサイトを構築するメリット


サブドメインにWordPressをインストールすることで、メインサイトとは独立した自由度の高い運用が可能です。メインサイトと別のブランディング展開、専門性を追求したサイト設計、リスク分散といった3つの主要メリットを解説します。
メインサイトとは別にブランディングが可能になる
サブドメインを活用すれば、メインドメインとは異なるブランドイメージでサイト運営ができます。例えばメインドメイン(example.com)が企業サイト、サブドメイン(blog.example.com)でオウンドメディア運営など、目的別の最適化が実現可能です。
サブドメインは独自URLとして扱われ、Googleなどの検索エンジンでも別サイトとして認識されます。異なるターゲットやサービス向けのサイト設計が可能になり、大手企業では採用情報、ECサイト、サポートサイトをサブドメイン別に運営する事例も多数存在。
特定分野に特化した情報発信やブランディングを展開したい場合、ワードプレスのサブドメイン活用は効果的な手法です。
専門性の高いテーマでサイトを設計できる
サブドメインごとにWordPressをインストールすれば、テーマやプラグインを自由に選択可能。メインサイトは企業案内、サブドメインはECサイト特化など、用途に最適化したUI/UXやSEO対策を実施できます。
サブディレクトリ形式(example.com/blogなど)とは違い、システム的に完全分離した運用ができるため、デザインや機能の衝突リスクもありません。メインはコーポレート、サブドメインはリクルート専用といった細分化されたワードプレスサイト構築を検討する企業も増加中。
複数のWordPressサイト管理では、サイト別に管理画面や運用体制を分離できるため、専門性追求に最適です。
サーバーを分けることによるリスク分散
サブドメインごとにサーバーやデータベースを分離すれば、トラブル発生時の影響範囲を限定可能。メインサイトに障害や改ざん被害があっても、サブドメイン側のサービス継続ができます。
サブディレクトリ型では原則として一つのWordPressやサーバー・DBに依存するため、障害時の影響が拡大しがち。以下の表でサブドメイン型とサブディレクトリ型の違いを比較します。
機能・特性 | サブドメイン型 | サブディレクトリ型 |
---|---|---|
SEO評価 | メインと分離しやすい | メインと統合されやすい |
ブランディング | 独立性が高い | 本体サイトと統一されがち |
トラブル影響範囲 | 限定しやすい | 全体に影響しやすい |
システム管理 | サイトごとに分離可能 | 一元管理しやすい |
運用や障害時の影響範囲を限定したい場合、サブドメインでのWordPressインストールは企業サイトや中規模以上のメディア運用で安心材料となります。
サブドメイン管理では、ドメインごとのSSL設定やGoogleアナリティクス設定など、運営開始後の個別技術調整が必要な点にご注意ください。


知っておくべきサブドメインのWordPress運用におけるデメリット
サブドメインにワードプレスを運用する際は、便利な点が多い一方で、いくつか押さえておくべきデメリットも存在します。事前に理解しておくことで、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
新規サイトとしてSEO評価を構築する必要がある
サブドメインにワードプレスサイトを設置すると、Googleなどの検索エンジンはサブドメインを独立したウェブサイトと認識します。そのため、SEO評価がメインドメインと自動的に共有されるわけではなく、新規ドメイン同様にゼロからSEO評価を高める必要があります。
例えば、既存ドメイン(example.com)の配下にblog.example.comのようなサブドメインワードプレスを作ると、単なるフォルダ(example.com/blog)とは異なり、ドメインパワーが直接蓄積されにくい傾向です。この点は、すぐに集客したい場合やSEO効果を早く反映させたい場合には注意が必要です。
サブディレクトリと比較した場合の違いを下記の表でまとめます。
項目 | サブドメイン | サブディレクトリ |
---|---|---|
SEO評価の引継 | 新規サイト扱い。評価の連携は弱い傾向 | メインドメインと密接に関連しやすい |
サイト構造 | 独立したサイトのような管理が可能 | 階層構造で一体的な管理ができる |
用途 | 別テーマの運用や大規模サイト向き | 同一テーマ内のカテゴリ追加に最適 |
このように、SEO上の観点でもサブドメイン運用には新規評価の構築が不可欠となるため、サイト設計時には明確な目的と十分なSEO対策が求められます。
SSL証明書の取得に追加の手間や費用がかかる
サブドメイン環境でワードプレスを運用する場合、それぞれのサブドメインごとにSSL証明書(https化)が必要になります。特に、通常のドメイン向けSSLを利用している場合は、サブドメインワードプレス用に追加申請や手動設定が必要となる場合があります。
ワイルドカード証明書(*.example.com)の契約や無料SSLの活用も視野に入れるべきですが、設定ミスによる「安全でないサイト」との警告表示など、運用上のリスクも発生しやすいです。
- 証明書費用はサーバープランによって無料の場合もありますが、独自に申請する場合は追加のコストが発生します
- 設定手順や適用範囲の違いによって、作業時間や専門的な知識が求められることも少なくありません
このため、サブドメイン単位でSSL対応が必要だという点を事前に認識しておくことが大切です。


複数サイトの管理コストが増加する可能性がある
サブドメインごとにワードプレスを導入すると、サイトの数だけ管理作業も増えることになります。たとえば、テーマやプラグインのアップデート、バックアップ、セキュリティチェックなど、単一サイトのときよりも運用・管理の手間が拡大します。
特に、複数のサブドメインで異なるコンテンツや会員システム、ECサイトを運用する場合、それぞれの設定・保守が別管理になるため、サイト全体での一元管理が難しくなるのが課題です。
- アップデート漏れやバックアップ忘れによるリスクが高まりやすい
- 管理者アカウント・権限分散で情報管理が煩雑になる
- Googleアナリティクスなど外部ツールの設定も個別対応が必要
したがって、複数サブドメインでワードプレスサイトを展開する場合は、管理体制や効率化策(管理ツール利用など)を事前に検討することが推奨されます。


サブドメインへのWordPressインストール手順を解説
サブドメインにWordPressをインストールすると、メインサイトとは別のテーマでサイト運用できます。ここでは主要レンタルサーバーでの具体的なステップを順に解説します。
①:レンタルサーバーでサブドメインを新規設定する
最初にレンタルサーバーの管理画面からサブドメインを設定しましょう。サブドメインとは、main.comに対してblog.main.comやshop.main.comのような形で運用できるアドレスです。
Xserverやロリポップなどのレンタルサーバーでは、「サブドメイン設定」メニューから簡単に追加できます。さくらインターネットやmixhost、スターサーバーも同様の機能を提供しています。
主な流れは以下の通りです。
- サーバーパネルやコントロールパネルにログイン
- サブドメインの新規作成メニューを選択
- 基本となる独自ドメインを選び、サブドメイン名を入力
- 必要に応じて公開ディレクトリを指定し、作成を完了
この操作だけで、新しいサブドメイン用アドレスが利用可能になります。
②:サブドメイン用のデータベースを準備する
サブドメインごとに独立したWordPressを運用する場合、それぞれ専用のデータベース環境が必要です。データの分離や管理をしやすくするためです。
レンタルサーバーの管理画面から「データベース管理」や「MySQL作成」などの項目を利用します。任意のデータベース名とユーザーを設定しましょう。
手順は次の通りです。
- サーバーコントロールパネルからデータベース作成画面へ
- 任意のデータベース名、ユーザー名、パスワードを入力
- データベースが作成されたことを確認
作成したデータベース情報は、後のWordPressインストール画面で必要になるので控えておきましょう。
③:WordPressかんたんインストール機能で設置する
多くのレンタルサーバーには「WordPress簡単インストール」機能が搭載されています。この機能を利用すると、FTPソフトなどの専門的な作業なしで、サブドメインにWordPressをすぐインストールできます。
一般的な手順は以下の通りです。
- サーバーの管理画面で「WordPress簡単インストール」を選択
- サイトURL(サブドメイン)、サイトタイトル、管理用メールアドレスを入力
- 事前に用意したデータベースを選択・情報入力
- ユーザー名・パスワードなどログイン情報を設定
- 内容を確認し、インストール開始
インストールが完了すると、サブドメイン固有のWordPressサイトが即時に利用できるようになります。
④:WordPressの初期設定を完了させる
WordPressのインストールが済んだら、最初に初期設定を進める必要があります。セキュリティ向上や効率的な運用のため、必須のプロセスです。
主な作業は次の通りです。
- サイトURLにアクセスし、管理画面にログイン
- 一般設定(サイトタイトルやキャッチフレーズなど)を編集
- SSL証明書(https化)が未設定なら、レンタルサーバーの「SSL設定」から適用
- テーマの選定・初期プラグインの導入
- 管理ユーザーのパスワード変更や不要なアカウントの削除
SSL設定やセキュリティ関連の初期設定もあわせて行えば、検索エンジンからの評価も高まります。ユーザーも安全に利用できるサイトになります。
このような流れで進めることで、サブドメインにWordPressサイトを安全かつ効率よく構築できます。各レンタルサーバーごとに画面表示や設定名称が異なる場合もありますが、概ね上記の通りに作業を進めれば問題ありません。
サブドメインのWordPressサイト公開後にやるべき必須設定
サブドメインにWordPressサイトを公開した後は、セキュリティやデータ保護のための設定が必要です。効果的な運用を実現するために、公開直後に実施すべき初期設定について順番に解説します。
SSL設定を適用しサイト全体をhttps化する
SSLは、サイト全体の通信を暗号化し、訪問者の個人情報やログイン情報を保護する必須設定。Googleもhttps化されたサイトを推奨しており、SEO評価にも影響します。
SSL化の主な方法は次の通り。
- レンタルサーバーの管理画面から無料SSLを申請・設定
- SSL有効化後、httpからhttpsへのリダイレクト設定を実行
- WordPressの一般設定で、サイトURLがhttpsで始まっているか確認
SSLが正常に設定されていない場合、ブラウザで「保護されていない通信」と警告が表示される場合があります。公開直後に必ず対応しましょう。
Googleアナリティクスでアクセス解析を設定する
WordPressサイトの運用効果を把握するため、アクセス解析ツールの導入は欠かせません。Googleアナリティクスを利用すると、訪問者数やページごとの人気度、流入元を把握できます。
導入手順の例は次のとおり。
- Googleアナリティクスにログインし、新しいプロパティを作成
- トラッキングコードを発行し、WordPressテーマのhead部分、または専用プラグインで設置
- 設置後はリアルタイムアクセスが取得できているか確認
サブドメインごとに個別のプロパティを作ることで、メインサイトと分離したデータ管理が実現。施策の効果検証も容易になります。
Googleサーチコンソールにプロパティを登録する
Googleサーチコンソールにサブドメインサイトを登録すると、掲載順位データやインデックス状況を確認できます。検索パフォーマンスの分析や各種エラーの通知も受け取れるため、SEO対策には欠かせないツール。
設定手順は次の通り。
- サーチコンソールにアクセスし、「プロパティの追加」からサブドメインのURLを入力
- 所有権確認が求められた場合は、推奨の方法で認証
- サイトマップがある場合は、「サイトマップ」メニューから送信
これにより、Googleへのインデックス申請やクロール状況の把握が可能。SEOの改善ポイント発見もしやすくなります。
定期的なバックアップの仕組みを構築する
バックアップは、サイト運営で最も重要な保険のひとつ。サブドメインでも予期せぬデータ損失や不具合に備え、WordPress本体だけでなくデータベース・画像などのファイルも定期的にバックアップしましょう。
主な方法は以下の通り。
- サーバー会社の自動バックアップ機能を利用
- WordPressのバックアップ用プラグインを導入し、設定した間隔で自動バックアップを取得
- バックアップデータを定期的にサーバー外にも保存
バックアップ体制があると、トラブル発生時も迅速にサイトを復旧可能。ビジネスチャンス損失や検索評価の低下を最小限に抑えることができます。
まとめ:目的を明確にすればワードプレスサイトの可能性は広がる
サブドメインワードプレス運用は、メインサイトと分けて独立したワードプレスサイトを構築できるため、専門性やブランディングを重視したい場合に適しています。サブドメインの設定方法やワードプレスインストール手順、サブディレクトリとの違い、SEOの観点についても丁寧に解説しました。
導入後のSSL設定やGoogleアナリティクス連携など、公開後に必要なポイントも網羅。
- サブドメインワードプレスは、管理やブランド分離、専門性強化に適しており、xserverやさくらサーバー、ロリポップなどのレンタルサーバー管理画面から簡単にインストール可能
- サブドメインとサブディレクトリではSEO評価やサイト運用コストに違いがあり、目的に応じた使い分けが重要
- サブドメインにワードプレスをインストール完了後は、SSL設定、アクセス解析、バックアップなど必須設定を怠らずに行うことで安全かつ効率的な運用が実現
この記事を読むことで、サブドメインワードプレス導入の具体的な手順や注意点を理解し、ご自身の目的に最適な運用方法を選択できるはず。ぜひ記事で紹介した内容を参考に、理想的なワードプレスサイト制作をスタートしてください。

