
VPNを使うと通信速度が遅くなったり、銀行や動画配信など国内サービスにアクセスできなくなることが面倒です。スプリットトンネル機能を使うと便利そうだけど、セキュリティが本当に大丈夫かも心配です。



こうした疑問に答えます。
- VPNスプリットトンネルの仕組みと特徴
- メリット・デメリットと注意点
- スプリットトンネルの基本的な設定方法
VPNスプリットトンネルを使えば、VPN通信と通常通信を使い分けることで、速度の低下や国内サービスの利用制限を回避できます。
Windows、Mac、Fortigate、AWS Client VPNなどあらゆる環境でのスプリットトンネル設定について、セキュリティリスクや導入時の迷いも解消できる具体策を紹介。ぜひ最後までご覧ください。
VPNのスプリットトンネルとは?仕組みをわかりやすく解説


VPN通信と通常通信を分ける機能
vpnスプリットトンネルは、VPNを使う際にすべての通信をVPN経由で送るのではなく、一部の通信のみをVPNで暗号化する機能です。特定のアプリやウェブサイトについては、VPNを通さずに直接インターネットにアクセスできます。
この機能により、VPN利用時の通信速度の低下を防げます。また、国内の銀行サイトや動画配信サービスなど、VPN接続で制限されるサービスにも正常にアクセス可能。
vpnスプリットトンネル設定では、どの通信をVPN経由にするかを細かく指定できます。これにより、セキュリティが必要な通信とそうでない通信を使い分けることが可能です。


スプリットトンネルが必要になる具体的なシーン
スプリットトンネリングが役立つ場面は以下の通りです:
- 家庭での利用:国内の銀行や動画配信サービスに直接アクセスしたい場合
- リモートワーク:業務データはVPNで保護し、一般的なウェブ閲覧は高速で行いたい場合
- オンラインゲーム:ゲームの通信遅延を減らしたい場合
- 大容量ファイルのダウンロード:VPN帯域を消費せずに高速でダウンロードしたい場合
windowsvpnスプリットトンネルやmacvpnスプリットトンネルでは、それぞれのOSに最適化された設定方法があります。どのOSでも基本的な仕組みは同じです。
逆スプリットトンネルとの違い
スプリットトンネルと逆スプリットトンネルには明確な違いがあります。正しい理解が重要です。
機能 | スプリットトンネル | 逆スプリットトンネル |
---|---|---|
通信ルーティング | 選択した通信のみVPN経由 | 選択した通信を除くすべてVPN経由 |
主な用途 | 通信速度の向上、特定サービスへのアクセス | セキュリティ優先、例外的な通信の除外 |
設定方法 | アプリや宛先IPアドレスで指定 | 除外するドメインやIPアドレスで指定 |
セキュリティレベル | 必要な部分のみ保護 | デフォルトですべて保護 |
fortigatessl-vpnスプリットトンネルやawsclientvpnスプリットトンネルでも、この基本的な違いは変わりません。企業環境では逆スプリットトンネルがより安全とされています。
fortigatevpnスプリットトンネルやforticlientvpnスプリットトンネルの設定では、管理者がユーザーのアクセス範囲を細かく制御できます。一方、softetherrvpnスプリットトンネルでは、より柔軟な設定が可能です。
VPNのスプリットトンネルを利用する3つのメリット


VPNのスプリットトンネル機能は、ユーザーが抱える通信速度やアクセス制限の問題を効率的に解決します。この仕組みを活用することで、VPN利用時の不便さを大幅に緩和できるのです。
通信速度の低下を防げる
スプリットトンネルは、すべての通信をVPN経由にせず、必要な通信だけをVPNトンネルを通します。これにより不要なデータ通信がVPNサーバーを介さなくなるため、通信速度の低下を最小限に抑えることができます。
例えば、業務に必要な社内システムへのアクセスのみをVPN経由に指定し、YouTubeや通常のWebブラウジングなどは直接インターネットに接続する、といった使い分けが可能です。結果、VPN経由で負荷が集中することを防ぎ、快適なパフォーマンスを維持できます。


国内の特定サービスに同時アクセスできる
スプリットトンネルを活用すると、日本国内向けの動画配信サービスや銀行サイトなど、VPN経由だと制限されてしまうサービスにも同時接続が可能です。
VPNを有効にしつつ、国内サービスへのアクセスはVPN外で直接接続させることで、ジオブロックによる視聴制限や認証エラーを回避できます。これにより海外滞在中でも、日本のインターネットサービスと社内システム両方を快適に使うことができます。
データ通信量を節約できる
スプリットトンネルでは、VPN経由が必要な通信のみに限定してデータを暗号化・転送します。そのため動画視聴や大容量ファイルのダウンロードといった、必ずしもVPNを必要としない通信は、直接インターネットとやり取りされます。
この仕組みにより、VPNサーバーを経由するトラフィック量を大幅に減らせ、VPN側にかかる通信負荷とデータ転送量を効率的に節約できます。そのため、VPN利用データに上限のあるサービスを使っている場合や、トラフィック混雑が気になる場合にも有効です。
VPNのスプリットトンネル利用時のデメリットと注意点
VPNのスプリットトンネル機能は、オンライン通信の効率化や作業性向上など多くのメリットがあります。しかし、利用の際にはいくつかのデメリットや注意点が存在します。
以下では、主にセキュリティ面や設定の難易度、サービスごとの仕様差について解説します。
セキュリティレベルが低下する可能性がある
スプリットトンネルを利用すると、一部の通信のみがVPN経由で暗号化されます。その他の通信は従来どおり直接インターネットに接続されます。
そのため、VPNを経由しない通信部分は本来の保護レベルが確保されない場合があります。情報漏洩リスクが相対的に高まることがデメリットです。
主な理由としては、VPNを使わない通信が第三者に傍受される危険性があります。DNSリークによる情報漏洩リスクなども存在します。
業務や個人情報を扱う場合、この設定では十分なセキュリティが担保できない可能性があります。特に注意が必要です。
具体例として、会社のリソースへのアクセス時にスプリットトンネルを利用すると、普段のWeb閲覧など一部の通信が暗号化保護されません。その結果、機密情報が外部に漏洩するリスクも想定されます。
VPNスプリットトンネル機能を活用する場合は、通信の一部が保護されないリスクを理解しましょう。必要に応じてキルスイッチやDNS漏洩防止設定と併用することが推奨されます。


対象アプリやサイトの選定が難しい
スプリットトンネルを有効活用するには、どのアプリやサイトをVPN経由にするか判断が必要です。あるいは、どれをVPN対象外にするかをユーザー自身が選択する必要があります。
しかし、その選定は簡単ではない場合が多いです。誤った設定がセキュリティリスクやパフォーマンス低下を招くこともあります。
その理由は次のとおりです。
- どの通信が機密性を要し、VPNによる保護が必要か見極めるには、ネットワークやサービスの理解が求められる
- アプリ単位やURL単位など、VPNサービスごとに選択できる粒度が異なる
- 業務アプリと私用向けアプリが混在している場合、個別に振り分ける手間が発生する
例えば、銀行アプリや重要な業務用アプリだけVPNトンネルを通過させる方法があります。その他のストリーミングやWeb閲覧は直接通信にするなどの使い分けが考えられます。
しかし、これらの最適な分け方はユーザー側で判断しなければなりません。
事前に保護が必要なアプリやサイトをリストアップした上で設定作業を進めることが大切です。不安な場合は全通信をVPN経由にするなど慎重な運用が求められます。
VPNサービスによって仕様が異なる
スプリットトンネル機能の対応範囲や設定手順、呼称はVPNサービスごとに違いがあります。これはユーザーにとって混乱や設定ミスの原因となるため、選択する際は注意が必要です。
主な違いを以下の表にまとめます。
VPNサービス | 対応OS | 分岐単位(アプリ/サイト/IP) | 設定難易度 | 補助機能例 |
---|---|---|---|---|
NordVPN | Windows,Android | アプリ単位 | 比較的簡単 | キルスイッチ |
Private Internet Access | Windows,Mac,Android | アプリ、サイト、IP単位 | 中程度 | DNS漏洩防止 |
一部の業務用VPN(例:FortiGate、AWS ClientVPN) | Windows,Mac | サブネット単位 | 難しい | ポリシーベース設定 |
SoftEther | Windows | 基本的にIP単位 | 普通 | — |
理由としては、VPNサービスごとのシステム設計や利用するOSにより実装可能な設定項目が異なるからです。
例として、「アプリごとに設定できるサービス」なら初心者でも扱いやすいです。しかし、「通信先IPアドレス単位」や「サブネット単位」などはネットワーク知識が求められます。
また、OSによっては同じサービスでもスプリットトンネリング機能が提供されていない場合もあります。
これらの違いを把握せずに設定すると、VPNが正しく動作しない問題が起こります。必要な通信がブロックされる、あるいは意図せずセキュアな通信が漏れてしまうといったトラブルにつながります。
VPNスプリットトンネル設定時にはサービス仕様や設定範囲をよく確認しましょう。自身の利用環境に合った適切なサービス・設定方法を選択することが重要です。


VPNのスプリットトンネル設定方法をOS別に解説
スプリットトンネルは、VPN利用時に全ての通信をVPN経由にするのではなく、特定の通信だけをVPN経由にし、それ以外は通常のインターネット回線を使う仕組み。この技術は通信速度の低下や一部サービスの接続制限といった課題を解決するのに役立ちます。
ここではOS(Windows/Mac/スマホ別)ごとに、VPNスプリットトンネルの基本的な設定手順とポイントを解説します。
①:Windowsでの基本的な設定手順
WindowsでVPNスプリットトンネル設定を行う場合、主要なVPNクライアントソフトでスプリットトンネリング機能が搭載されているものが増えています。設定は主に以下の手順で行います。
- VPNアプリを起動し「設定画面」を開く
- メニューやオプションから「スプリットトンネル」または「アプリ分割トンネリング」を選択
- VPN経由にしたいアプリ(例:ウェブブラウザ、業務アプリ等)を追加するか、あるいはVPN対象外にするアプリを指定
- 設定を保存してVPNを再接続
この手順により、たとえば業務システムへのアクセスはVPN経由、ネット動画や国内サービスへのアクセスはVPN対象外とする使い分けが可能。WindowsでのVPNスプリットトンネル設定により、フルトンネルと比べて通信の柔軟性が向上します。
②:Macでの基本的な設定手順
Macの場合も、対応VPNクライアントでスプリットトンネル機能があれば設定はシンプル。MacでのVPNスプリットトンネル設定は以下の手順で行います。
- 使用しているVPNアプリ(例:NordVPN、Surfshark等)を起動し、「Preferences」や「設定」メニューへ進む
- 「スプリットトンネル」や「Bypass settings」などの項目を探す
- VPNに含める、または除外するアプリケーションやIPアドレスをリストから選択・追加
- 設定後、必ずVPN接続を一度切断し再接続
標準のmacOS VPN機能にはスプリットトンネリングがない場合が多く、サードパーティのVPNアプリ使用が一般的です。
③:スマホ(iOS/Android)での基本的な設定手順
スマートフォンでもAndroid向け主要VPNアプリではスプリットトンネル機能が提供されています。iOS(iPhone/iPad)は一部対応アプリに限定。
- VPNアプリをインストールし、ログイン
- 「スプリットトンネル」または「アプリ分割」項目に進む
- VPNを経由したいアプリ、もしくはVPN対象外にするアプリをリストから選択
- 設定を有効化しVPN接続を再起動
Androidではアプリごとに細かく選択できるのが多く、iOSでは現在実装例が少ないものの今後増加傾向です。
設定がうまくいかない場合のチェックポイント
VPNスプリットトンネル設定が反映されない場合や通信が思い通りに分割されていないと感じた際は、以下を確認してください。
- 使用中のVPNアプリ・バージョンにスプリットトンネル機能があるか確認
- 管理者権限や必要なシステム許可が付与されているか
- 設定反映のためVPN接続を一旦切断→再接続したか
- 除外指定したアプリ・IPアドレスに誤りがないか見直す
- ほかのセキュリティアプリやOSのネットワーク設定と競合していないか調査
- DNSリークやキルスイッチ機能のオン・オフ状況
また、各VPNベンダーごとに設定メニューや呼称が異なるため、公式FAQやユーザーマニュアルで該当機能の呼び方・操作方法も合わせて確認するのが安心。FortiGateのSSL-VPNやAWS Client VPN、SoftEtherVPNなど企業向けソリューションでもスプリットトンネル対応が進んでいます。
スプリットトンネル機能を活用すれば、VPN利用時の利便性とパフォーマンスを柔軟に両立できます。各OSごとに最適なVPNスプリットトンネル設定を行い、安全かつ快適なネットワーク環境を実現しましょう。


スプリットトンネルが使えるおすすめVPNと安全な活用術
VPNの利用時、「スプリットトンネル」機能を活用すると、通信速度の低下や国内限定サービスへのアクセス制限など多くの悩みを解決できます。ここでは、スプリットトンネル機能が優秀なサービスや安全に使いこなすコツ、用途別の最適な設定例を解説します。
スプリットトンネル機能が優秀なVPNサービス
スプリットトンネルとは、端末で扱う全ての通信をVPN経由にせず、必要な通信だけVPNを通し、それ以外は直接インターネットへ接続させる機能です。例えば社内システムへはVPN経由、国内の銀行サイトや動画サービスは通常回線で利用といった柔軟な使い分けが可能になります。
この機能を高い次元で提供する代表的なVPNサービスは下記の通りです。
- NordVPN、ExpressVPN、Surfshark:PC・スマホともアプリ単位やIPアドレス単位で詳細に設定でき、日本語サポートも充実
- FortiGate(SSL-VPN/IPSec)、AWS Client VPN、SoftEther VPN:法人用途でも高い柔軟性があり、細かなルーティング制御、ユーザーポリシーごとの設定も可能
サービス名 | 主な特徴 | 個人/法人対応 | 日本語環境 |
---|---|---|---|
NordVPN | アプリ単位の設定・GUIが使いやすい | 個人 | ○ |
ExpressVPN | アプリ・ドメイン単位設定可 | 個人 | ○ |
Surfshark | Bypasser 機能で細かいカスタマイズが可能 | 個人/法人 | ○ |
FortiGate VPN | ドメイン/IP/ポリシー単位で柔軟に設定可能 | 法人 | △(管理者向け) |
AWS Client VPN | IP/DNS単位で細かいルーティング制御できる | 法人 | △(英語中心) |
SoftEther VPN | 無料・多機能・高度なカスタマイズ | 個人/法人 | ○ |
VPNスプリットトンネル設定の仕様(アプリ単位/ドメイン単位/IP単位)はサービスによって異なります。自身の用途やOS(Windows、Mac、スマホ等)に合わせて選ぶことが重要です。
キルスイッチ機能との併用でセキュリティを強化
スプリットトンネルは通信の柔軟性を高めますが、VPNを経由しない通信は暗号化されません。そのため、パブリックWi-Fi利用時や機密性の高い業務の場合、VPN通信が途切れた際に情報漏洩を防ぐ「キルスイッチ」機能との併用が不可欠です。
主な理由は次の2点になります。
- VPNが突然切断された際、機密通信が保護されない状態でネットワークへ露出するリスクを防ぐため
- スプリットトンネリングで「VPN経由必須」アプリを確実に守るため
具体的には、VPNの管理画面やアプリで「キルスイッチ」機能を有効にしてください。これにより、VPN接続が切れた時、その通信を自動的に遮断し情報漏洩を防げます。
オンラインゲームでの最適な設定例
オンラインゲームでは、通信速度と安定性が重要です。VPN経由だと遅延や回線制限が発生することもあるため、スプリットトンネルを活用しましょう。
- ゲームアプリだけをVPN経由から除外(通常回線に設定)し、それ以外の通信はVPN経由に設定
- 海外限定ゲームのアクセス時は、該当ゲームアプリのみVPNトンネル経由に設定
この方式により、ゲームのラグや接続エラーを減少させつつ、他のアプリのセキュリティは維持できます。各VPNアプリの「アプリ単位でVPN経由を選択/除外」という機能を利用してください。


特定の業務アプリ利用での最適な設定例
リモートワークなどで社内システムと外部サービスを同時に使う場合、スプリットトンネルは特に有効です。
- 社内Webやファイルサーバーへの通信のみをVPN経由に設定
- メールやビデオ会議、ニュースサイト閲覧など、一般的なインターネット通信はVPN対象外に設定
この設定によって、セキュリティ確保とスピード確保を両立できるため回線混雑も抑えられます。FortiGateやAWS Client VPNではドメインやIPアドレス単位でルールを作成可能です。
VPNスプリットトンネル機能をうまく使い分けることで、セキュリティと利便性を両立し、最適なネットワーク環境を構築できます。自身の用途やセキュリティ要件に合った設定・サービスを選びましょう。
まとめ:VPN通信を賢く使い分け、速度と安全性を両立する技術
VPNスプリットトンネルを活用することで、必要な通信だけをVPN経由に振り分けられます。動画配信やオンラインゲームなど高速通信が求められるサービスも快適に利用可能です。
国内の銀行サイトや特定サービスにも制限なくアクセスできます。セキュリティと利便性のバランスを実現することができるでしょう。
ただし、適切なアプリやサイトの選定が重要。VPNサービスごとの仕様違いや安全性への配慮も必要です。
- VPNスプリットトンネルにより、通信速度の低下を最小限に抑制。必要なサービスへのアクセスが可能になります
- キルスイッチやDNSリーク対策などの機能を併用することで、スプリットトンネル利用時の安全性も向上
- Windows・MacでのVPN設定手順やおすすめサービス、よくあるトラブルの対処法まで網羅的に解説
この記事を読むことで、自分に合ったVPNスプリットトンネル設定の使い分け方が理解できます。安心できる設定ポイントもしっかりわかるでしょう。
通信環境や目的に合わせて、ぜひスプリットトンネリングを活用してください。速度と安全性を両立したインターネット体験を始めてみましょう。





