
スマホのVPN接続を他のデバイスにテザリングで共有したいけれど、やり方がわからない。自分の使っているVPNやOSで本当にvpnテザリングができるのか不安になります。



こうした疑問にお答えします。
- vpnテザリングの基本的な仕組みと安全性
- OS別のvpnテザリング設定手順と注意点
- 繋がらない場合の主な原因と解決策
vpnテザリングはiPhoneやAndroidなど機種やアプリによって制限があります。しかし、設定や工夫次第で実現可能です。
どのVPNやテザリング方法を選べば良いか迷っている方も、読み進めることで自分の環境に合った具体的な解決策を見つけられるでしょう。スマホでのvpnテザリング同時利用について詳しく解説していきます。
VPNテザリングは可能?基本の仕組みとメリットを解説


スマートフォンでVPNに接続し、その通信をテザリング経由でPCやタブレットなど他端末にも共有できるのか疑問を持つ方は多いです。結論から言うと、一部の設定・サービスによっては可能ですが、すべての組み合わせでスムーズにVPNテザリングできるとは限りません。
その理由や仕組み、主なメリットについて詳しく解説します。
VPNに接続したままテザリングは利用できる
VPNに接続している状態でのテザリング利用について説明します。多くの一般的なVPNアプリは、スマホ内部の通信のみVPNトンネルを経由させる設計です。
そのため、テザリングした際にPC等の端末通信はVPNを経由せず、通常のインターネット回線を使う場合が多くなります。しかし、UCSSなど一部のVPNサービスや設定を工夫すればテザリングでもVPN接続を共有することは可能。
Android端末でテザリングを行う際には、以下の設定がポイントになります:
- プロトコルの選択
- LAN共有設定の活用
- プロキシの利用
例えばUCSSの「オーバーライド」機能やローカルプロキシ設定を活用することで、VPN経由の通信をテザリング先の端末と共有できます。ただし、iPhoneやAndroidのOSバージョン、キャリアやVPNサービスの仕様によって細部が異なります。
必ずしも全ての環境でVPNテザリングがサポートされているわけではありません。また、テザリング中にVPNがつながらない場合、NAT制限やポートブロックなど技術的な障壁が原因となっているケースもあります。
セキュリティを強化して安全な通信を実現する
VPNテザリングの最大のメリットは、通信経路のすべてを暗号化できることです。公衆Wi-Fi VPNや外出先での通信時でも、VPNの「トンネリング」と「カプセル化」技術によって第三者による盗聴や不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。
VPNは、インターネット上に仮想トンネルを構築し、その中にデータをカプセル化して安全に送受信。このため、たとえテザリング経由で複数端末が同時に通信しても、その全てのデータが暗号化プロセスを経て守られることになります。
特におすすめなのは以下のような場面です:
- セキュリティ意識の高い方
- 業務で機密情報のやり取りが発生する場面
- 公衆環境での安全な通信が必要な場合
海外から日本のサービスを利用する際に役立つ
VPNテザリングは、海外から日本国内限定のサービスを利用したい場合にも活躍します。スマートフォンのVPNアプリを使って日本サーバーに接続し、その状態でテザリングを実施すれば、PCやタブレットなどの他端末も「日本からアクセスしている」と認識されます。
これにより、以下のようなサービスにアクセス可能に:
- 日本限定の動画配信サービス
- ネットバンキング
- ゲームの国内サーバーへのアクセス
といった海外からの利用制限がかかるサービスにも、現地から問題なくアクセスできるようになります。
一方、安定したVPNテザリングを実現するためには、信頼性の高いVPNサービス選びが重要。通信速度、接続台数、対応OSなども合わせて考慮することが大切です。
特に無料VPNや非対応サービスの場合、そもそもテザリングでVPNがシェアできない、接続が不安定になるなどの問題が起こりやすいため注意が必要。VPNの必要性や目的、環境に応じて最適な方法を選びましょう。
【OS別】VPNでテザリングする具体的な設定方法
VPNテザリングの方法は、利用するOSやデバイスによって大きく異なります。多くの方が「VPNに接続した状態でテザリングできるか」という疑問を抱えています。
「うまく共有できない」という悩みを解決するため、それぞれの環境に合わせた具体的な設定方法を知ることが重要です。ここではAndroid、iPhone、そしてPCでのVPN接続の共有手順を解説します。
①:AndroidでのVPNテザリング設定手順
AndroidではVPNテザリング時にVPN接続を他の端末に共有できるかが大きな疑問点です。標準のテザリング機能ではVPN接続がそのまま他端末に共有されないことが一般的です。
この理由は、Androidの仕様やNAT制限、テザリング方式、モバイルキャリアによるVPNポートの制限があるためです。
VPNをテザリング経由で共有できるアプリや特別な設定を利用することで、共有が可能になる場合もあります。例えば、UCSSや一部のVPNアプリでは、以下のような流れで対応できます。
- Android端末でWi-Fiテザリングをオンにし、シェアする端末を接続
- VPNアプリを開き、詳細設定から「LAN共有を上書きする」などシェア機能を有効化
- ローカルプロキシの値(IPアドレスとポート番号)を共有先端末でHTTPプロキシとして設定
このほかUSBテザリングやBluetoothテザリングなど方式を変えることでうまくいく場合もあります。ただし、VPNプロトコルやサービスによって対応可否が大きく異なるため注意が必要です。
②:iPhoneでのVPNテザリング設定手順と注意点
iPhoneでもVPNテザリング iPhoneの可否や方法について多くの疑問があります。iPhoneの標準機能で「インターネット共有(テザリング)」を有効にした場合、iPhoneでVPNに接続していても、そのVPN接続がテザリング先の端末に自動で引き継がれることは基本的にありません。
iOSのセキュリティ設計上、テザリング全体にVPNをかけることは想定されていないためです。
そのため、スマホVPNテザリングを利用したい場合は下記の選択肢となります。
- 子機(PCやタブレット)側でもVPNアプリをインストールし、それぞれ直接VPNに接続
- どうしてもiPhone自体にかかっているVPNを共有したい場合は、専用のVPNルーターやPCを経由したルーティング設定といった高度な方法が必要
また、iPhoneの仕様やiOSのバージョンによっては一部の法人向けVPN構成プロファイルで例外的にテザリングトラフィックも保護される場合があります。一般的な個人利用の範囲では困難なのが現状です。
③:PCのVPN接続を共有する代替手順
スマホでのVPNテザリングができない場合、PC(WindowsやMac)でVPNに接続し、そのインターネット接続を他端末に共有する方法も有効です。この方法はネットワーク知識が多少必要ですが、理論上は安全性や速度面でもメリットがあります。
一般的な手順は以下の通りです。
- PCでVPN接続を確立
- PCの「インターネット接続の共有」機能(Windows:モバイルホットスポット、Mac:インターネット共有)を使い、他端末をWi-FiやUSB経由で接続
- これにより、子機側にもVPN経由の通信経路が適用される
GoogleVPNテザリングやFortiClientVPNテザリングなど、VPNプロバイダーやプロトコル(OpenVPN、WireGuard、IKEv2など)によっては設定の詳細が異なる場合があります。公式マニュアルやサポートも併せて確認してください。
このように、VPNテザリングはOSやデバイスの仕様に大きく左右されます。自身の環境や目的に最適な設定・代替手段の検討が重要です。
専門用語である「NAT」や「プロキシ」「プロトコル」といった用語に馴染みがない場合でも、順を追った設定とトラブルシュートで解決できることがほとんどです。
VPNテザリングができない時に考えられる主な原因


VPNテザリングがうまく利用できない場合、複数の要因が影響します。主な原因について解説していきます。
原因①:OSの仕様による標準機能の制限
多くのスマートフォンOSでは、標準のテザリング機能を利用した場合、VPN接続が他端末にそのまま共有されない仕様があります。VPNの「トンネリング」や「カプセル化」という仕組みが、スマホ端末内で完結してしまうためです。
たとえば、Android標準のテザリング機能では、接続先のPCやタブレットの通信はVPNを経由しません。そのままインターネットにアクセスしてしまうことが一般的です。
iPhoneでも同様の制約があります。通常のインターネット共有機能ではVPN接続状態がそのまま他端末へ反映されることはありません。


原因②:利用しているVPNアプリが対応していない
一部のVPNアプリやサービスは、そもそもスマホのテザリング時にVPNトラフィックの共有を想定していません。そのためネットワークの振る舞いに違いが出ることがあります。
特に、アプリ側でLAN共有やプロキシ設定を手動で調整できない場合があります。VPNプロトコルによってはテザリング時の通信が遮断されてしまうケースも存在します。
一般的なVPNアプリはスマホ端末内の通信路のみを暗号化・保護します。そのため、テザリング接続した端末の通信はVPN保護の対象外となることが多いです。
アプリによっては「ローカルプロキシ」などのオプション設定でVPNを共有できる場合もあります。詳細設定の有無を確認することが重要です。
原因③:契約キャリア側で通信がブロックされている
携帯キャリアの中には、テザリング利用時に一部のVPN通信を意図的に制限している場合があります。特定のプロトコルやポートが対象となることが多いです。
これにより、テザリング時のみVPN接続が阻害されたり、エラーメッセージが表示されて接続できなくなる現象が発生します。
このような場合、プロトコルや接続方法を変更したり、キャリアの契約プランを見直すことで改善する可能性があります。対処策としては、違うVPNプロトコル設定を選択したり、パススルー機能やプロキシ機能を併用できるVPNサービスを検討する方法が挙げられます。
VPNテザリングができない場合は、上記3点を確認した上で、OSのアップデートやVPNアプリの詳細設定、または利用キャリアのサポート内容をチェックすることが最初のステップとなります。


接続できない場合のVPNテザリング対処法
VPNテザリングが上手く接続できない場合、焦らず原因を特定してから対策を行うことが重要です。ここでは、主な原因ごとに有効な対処法を順番に解説します。
対処法①:VPNアプリの設定を見直す
まずは、利用しているVPNアプリの設定を確認してください。多くの場合、プロトコルやアプリ側のLAN共有設定に問題があることが多いです。
主な確認ポイントは以下の通りです。
- 使用プロトコル(OpenVPN、IKEv2、L2TP/IPsecなど)がテザリング環境で許可されているかチェック
- VPNアプリ上で「LAN共有」や「ローカルプロキシ」の設定があるか確認
- Androidの場合、「オーバーライド」設定やプロキシ経由でのアクセスが推奨されているアプリもある
例えば、Android向けの一部VPNアプリ(例:SB for UCSS等)は、アプリ設定画面で「LAN共有を上書き」や、ローカルIP・ポートを指定することでテザリング経由でもVPNを共有できます。また、iPhoneやAndroid標準のVPNアプリはシステムの仕様によりテザリング時のVPN共有に非対応の場合もあります。
その場合はアプリ配布元の公式ヘルプを参照し、サポートされているかを確認しましょう。
対処法②:テザリング専用アプリを利用する
VPNテザリングがOSの仕様やキャリア設定で上手くいかない場合、専用のテザリングアプリを活用するのも一つの方法です。この方法の利点は以下の通りです。
- 通常のテザリングより柔軟な通信ルーティングが可能
- VPN共有機能に特化した機能や設定が用意されている場合がある
- テザリングに最適化されたプロトコルやプロキシ設定が簡単
具体的な実例として、Androidでは「SB for UCSS」などのVPN+テザリング対応のアプリを利用することで、パソコンなど他の端末とVPN経由のインターネット共有が簡単に行えます。
一方、iPhoneの場合はApp Store規約の関係でVPNテザリング専用アプリが大変少なく、MacやPCにVPNクライアントを直接導入したほうが確実です。
対処法③:VPNルーターを導入する
どうしてもスマホ経由のVPNテザリングが安定しない場合は、ハードウェアVPNルーターの利用がおすすめです。
この方法の特徴は次の通りです。
- どの端末もルーターを通じてVPN環境を利用できる
- OSやキャリア仕様に左右されず高い安定性がある
- 共有可能な台数やセッションも多く、大人数や複数機器での利用に最適
VPNルーターは、家庭用ルーターと同様の使い勝手で、設定したVPNサーバーへの接続情報を保存し、自宅や出張先で安定してセキュアな通信を提供します。PCやスマホごとに個別設定が不要となるため、手間やトラブルを大きく減らせます。
特に、海外から日本国内の動画配信サービスを利用したい場合や、オフィスで一括してセキュアなネットワーク環境を作りたい場合には効果的です。
上記3つの方法を状況に応じて組み合わせ、VPNテザリングの安定運用を実現してください。各方法にはOSや環境による向き不向きがあるため、目的や利用シーンに最も適した手段を選択することが大切です。
VPNテザリングに最適なサービスの選び方


VPNテザリングを快適かつ安全に利用するためには、サービス選定が非常に重要です。ユーザーの用途や環境に合ったVPNを選ぶことで、通信速度の低下や接続の不安定化、セキュリティリスクなどを回避できます。
ポイント①:通信速度と安定性の高さ
VPNテザリングにおいて最も重視すべきは通信速度と接続の安定性です。テザリングを利用する場合、スマートフォンのモバイル回線を経由して複数のデバイスがインターネットに接続するため、VPNの処理能力やサーバー品質によって通信状態が大きく左右されます。
帯域の狭いVPNやサーバーが混雑しているサービスを使うと、動画視聴やオンラインゲーム時に遅延や途切れが発生しやすくなります。最近は帯域保証型のVPNも登場しており、一定の速度を保ちやすい傾向にあります。
選定時は「実効速度」「サーバーの負荷状況」「利用者の評判」などを重視してください。


ポイント②:サーバー設置国とサーバー数の多さ
サーバー設置国の多さとサーバー数も重要なポイントです。サーバーの拠点が多いVPNほど、利用者の目的やニーズに合わせて適切なロケーションを選択できます。
特にテザリング経由で国内外サービスを利用する際、接続したい国や地域に高速で安定したサーバーがあることが重要です。日本国外から国内向けサービス(動画・ゲーム等)を使う場合、日本国内サーバーへのアクセスが安定していると利便性が大きく向上します。
- サーバー設置国が豊富だと、回線の混雑を回避できる
- サーバー数が多いほど負荷分散ができ、安定通信が見込める
これらの点を必ず比較して選びましょう。
ポイント③:セキュリティとプライバシー保護方針
安全性とプライバシーへの配慮も重要です。VPNサービスによっては、通信内容の暗号化レベルや、ログ(通信履歴)保存方針が大きく異なります。
テザリング利用時は、複数デバイスの通信が一つのVPNに集約されるため、不十分なセキュリティ設計やログ保存型のVPNは避けるべきです。VPNには「トンネリング」や「カプセル化」「認証」「暗号化」といった技術が組み込まれており、外部からデータを盗み見られたり、不正アクセスを受けたりするリスクを低減しています。
- ノーログポリシー(利用記録を残さない)
- 強固な暗号化方式(AES-256等)
- 二段階認証やキルスイッチ対応
こうした機能があるか必ずチェックしましょう。


無料VPNをテザリングに利用するリスク
無料VPNは費用負担がないというメリットがありますが、テザリング用途では多くのデメリットが存在します。無料VPNはおすすめできません。
その理由は、通信速度の極端な制限、サーバー混雑、セキュリティリスクの高さなどが挙げられます。
代表的なリスクは以下のとおりです。
- 通信データが第三者に売却されるおそれ
- 広告表示やマルウェア混入の危険
- サポート・安定性の不十分さ
実際、多くの無料VPNは通信を暗号化しきれず、個人情報流出の危険性が報告されています。また、テザリング経由では接続が何度も途切れてしまう事例も多く確認されています。
「無料だから」という理由で選ぶのではなく、セキュリティを第一に考えた有料VPNの利用が賢明です。
比較項目 | 有料VPN | 無料VPN |
---|---|---|
通信速度 | 高速・安定 | 低速・不安定 |
セキュリティ | 強固な暗号化・ノーログ | 暗号化が不十分 |
サーバー品質 | 多数の設置国・多拠点 | 数が非常に少ない |
プライバシー保護 | 権威あるノーログ方針を公開 | 利用者データの収集・販売リスク大 |
広告/マルウェア | なし | 広告表示・マルウェア感染リスク |
安心・安全なテザリングVPN環境の構築には、信頼できるサービスを選ぶことが不可欠です。


まとめ:VPNテザリングは設定やアプリ利用で実現可能
vpnテザリングは、適切な設定や専用アプリの活用によって、スマホのインターネット回線をVPN経由で他のデバイスと共有することができます。
iPhoneやAndroidそれぞれの方法や注意点を把握することが重要。もしvpnテザリングが上手くいかない場合も原因に応じた対処法や代替手段を選ぶことで、セキュリティや利便性を損なうことなく、快適にインターネットを利用できます。
- vpnテザリングはOSやVPNアプリの仕様を踏まえた適切な設定で実現可能
- 繋がらない場合は、端末やキャリア、FortiClientなどアプリごとの対処法やvpnルーターなどの代替案も活用可能
- 利用目的や安全性を重視して、最適なvpnサービスを選ぶことが重要
この記事を読むことで、vpnテザリングの基本と注意点、具体的な設定・トラブル対処法まで理解できます。
ご自身のデバイス環境に最適な使い方やサービス選びの判断基準が得られるでしょう。ぜひ本記事を参考に、安心・快適なvpnテザリングを実践してください。





